十津川、山の民

山の民の誇りを持ち、十津川村に生きる人々を紹介します。

Vol.2

2017.03.10

十津川村の木を知り尽くした40年のキャリア。

木材加工流通センター センター長中 昌永さん

37年前、林業後継者事業の1期生として十津川村森林組合に入社。
これまでに原木の伐り出しから製材加工まで十津川村の林業を一通り経験し、
現在は木材加工流通センターの所長として、十津川材の製材と販売を行っている。

十津川材にふさわしい原木を見極める。

十津川村の山から切り出された原木は、そのほとんどがいったん木材加工流通センターに集められます。その大量の原木の中から、十津川村材にふさわしい原木を選んで仕入れていきます。「十津川村の木は杉と桧が豊富で、高級材ではありませんが相対的に強度があるのが特徴。十津川材として認証するには一定の強度が必要ですから、弱った木や傷んだ木が混ざらないよう自分の目で見極めます。」

木1本1本のくせを知り、その木に合った製材を。

仕入れた原木は、工務店などのお客様の注文サイズに合わせて製材されていきます。刃の入れ方ひとつで仕上がりが一変してしまう製材作業は、特に慎重に、丁寧に。「人間と同じで、木も同じものは1本もありません。」と語る中さん。「木のくせを理解したうえで加工することが大事です。また、愛情込めて育てられた十津川村の木を無駄にしたくないので、原木からロスを出さずに木材を切り出すことができると嬉しいです。」

十津川材の認証印を押せるのは、木材加工流通センターだけ。

木材加工流通センターで製材した木材はそのままセンター内で含水率と強度を測定し、定められた基準を満たした木材にのみ認証印が押されます。「十津川材の認証印のある木材は、全て私たちが製材したもの。自信を持って皆さまにお届けできる木材です。これからも、もっとたくさんの方に十津川村の木を使っていただけるよう、心を込めて十津川材の製材加工を続けていきます。」

木材加工流通センターに集められた原木の山

たくさんの原木を丁寧に製材・加工

加工マシーンはコンピュータ制御で細かいサイズの指定が可能

一定の含水率、強度をクリアした木材には認証印を

木材加工流通センターには5名の職員が勤務。同僚のお二人。

大きな乾燥機があります。乾燥中は水蒸気がもくもく。